大橋脳神経外科医院、伊東市玖須美元和田、伊豆急行線川奈駅大橋脳神経外科医院

院長ブログ・お知らせ

【院長ブログ】脳卒中とは

最近、よくテレビなどで取り上げられる脳卒中(脳梗塞や脳出血などもふくめて)、外来に心配されていらっしゃる方も、意外とどんな症状が出るのかご存じないようです。脳卒中に関しては、有名なFASTというものがあります。

FAST

Fは顔(Face)

まずは顔(Face)をちゃんと動かせるか確認しましょう。鏡をみながら「イー」と口を開くようなかたちにすると、左右対称にならず歪みがあるような状態になります。もしくは食事をしているときなどに、食べものが口から落ちたりこぼれたりすることがあります。脳梗塞が起きた際などは、右脳と左脳の一方の側に起きることがほとんどですので、体の半分だけ動かせないということがあります。それゆえ、顔が半分だけ動かせない、という症状が現れます。ただし、この症状はあまり多くはありません。ほとんどはベル麻痺という顔面神経だけの障害が多いようです。

Aは腕(Arm)

腕(Arm)を動かせるかを確認しましょう。両手を胸の高さまで上げて、その状態のまま維持しましょう。腕がそもそも胸の高さまで上げられない、一度上げても片側だけ徐々に落ちてしまうという場合には、脳卒中の初期症状であることが考えられます。

Sはスピーチ(Speech)

つぎに言語面での障害があるかどうかをみます。注視してみるべきは、「呂律がまわらないかどうか」「言葉がうまく出ないかどうか」です。本人は自分がうまく呂律がまわっていないかどうかわからない場合も多く、周囲の方が気づいてあげられるかが非常に重要です。

Tは時間(Time)

脳卒中は時間との戦いです。脳梗塞の発症から4.5時間以内であれば使える薬もありますので、しっかりと発症したと思われる時間はメモしておきましょう。これが一番重要です。なんか、1週間前からおかしいので診てください、では遅すぎます。折角の急性期治療のタイミングを逃してから来院されるのが残念です。なかなか病院には行きづらい面もあると思いますが、心配事があればお気軽に受診してください。何事もなければ、それでOKです。
顔、腕、スピーチにおかしな感覚があれば、すぐに病院に向かう必要があります。

周囲が違和感に気づくことも大切

脳卒中の中にもいくつか種類がありますが、脳梗塞はとくに痛みがあるわけではないので、初期症状を見逃してしまいがちです。前述した腕や言葉の違和感も、その瞬間だけおかしくて、すぐに戻ってしまうこともあります。この場合にも戻ったから問題ないということではなく、多くがこの初期症状の後で本格的な脳卒中が起きます。
FAST(ファスト)で脳卒中を疑って、なるべく早く病院に向かいましょう。

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