大橋脳神経外科医院、伊東市玖須美元和田、伊豆急行線川奈駅大橋脳神経外科医院

院長ブログ・お知らせ

【院長ブログ9】MRIについて

MRIについて

MRI検査について

現在、当院では31年にわたり活躍してきた日立製作所製のMRIに変わり、富士フィルム製の新型MRI(AIRS Vento Plus)を導入予定です。より良い画像を短時間で撮影が可能で、脳血管も鮮明に映し出すことが可能となり、即時に診断をつけられます。また、オープンタイプですので、狭い筒状の機器に入ることなく検査が可能となり、閉所恐怖症の方にも安心して受けていただけます

今まで以上にMRI検査を行う機会が増えると思いますが、今ではすっかり身近になったMRI(磁気共鳴断層撮影装置)についてご説明します。

MRI検査では、コンピュータが対象者の体の周囲で起こる磁場の変化を記録することで、詳細な断層画像を作成します。CTとは異なり、MRIはX線(放射線)を使用しない検査で、通常は非常に安全です。

MRI検査の手順

患者さんが横になった可動式の台が装置の中を移動し、撮影装置の中に収まります。装置の内部には強い磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置の中で発生するような強い磁場の中に置かれると、磁場に合わせて整列する性質があります。次いで、装置から電磁波のパルスが放出され、それにより陽子の配列が瞬間的に乱れます。陽子は磁場の作用で再び整列しますが、このときにエネルギーを放出します。このエネルギーを信号と呼び、信号の強さは組織毎に異なります。MRI装置がそれらの信号を記録し、コンピュータがその信号を解析し、画像を作成します。

撮影者は電磁波のパルスや磁場の強さと方向などを変化させて、様々な組織をどのように撮影するか調節します。例えば、撮影方法を変えることで、脂肪組織を暗くしたり明るくしたりできます。このように複数の撮影方法を併用することで、互いに補完的な情報が得られるため、撮影を複数回行うことがよくあります。

鍵、アクセサリー、携帯電話などの金属製品、クレジットカードや腕時計など磁場の影響を受ける持ち物はすべてMRI検査室の外で保管する必要があります。撮影中は動かずじっとしていなければならず、ときおり息を止めるよう指示されるかもしれません。装置からゴンゴンと大きな騒音が出るため、ヘッドホンや耳栓を渡されることもあります。撮影には20~60分間かかります。検査が終わったら、すぐに普段の生活に戻ることができます。

MRI検査の用途

軟部組織の詳細な情報が必要な場合、例えば、脳、脊髄、筋肉、肝臓の異常を検出する場合には、CT検査よりMRI検査が優先されます。MRI検査が特に役立つのは、これら軟部組織にできた腫瘍を特定する場合です。

MRI検査は、CT検査のリスクが高いときの代わりに行われることもあります。例えば、CT検査に使用されるヨード造影剤にアレルギーを起こしたことのある人や妊娠中の女性には、MRI検査の方が好ましい場合があります(放射線は胎児に異常をもたらす可能性があるためです)。

ガドリニウム造影剤を静脈に注射してからMRI検査を行うと、炎症、腫瘍、血管を評価しやすくなります。また、これを関節内に注射することで、関節の異常をより鮮明に描き出した画像を撮影でき、特に検査対象が複雑な異常(膝の靱帯と軟骨の損傷または変性など)である場合に役立ちます。

MRIアンギオグラフィ検査(MRA)

MRアンギオグラフィー検査では、従来の血管造影検査CT血管造影検査のように血管の詳細な画像を撮影できます。MRアンギオグラフィー検査は、しばしば造影剤を注射せずに行われます。

また、動脈と静脈を通過する双方の血流を描出できるほか、一方通行の血流のみ、すなわち動脈と静脈のどちらかの血流だけを撮影することもできます。またCT血管造影検査と同じく、コンピュータで血管以外の組織を画像から消すこともできます。

MRアンギオグラフィー検査は、脳の血管を評価し、以下の病変を検出する目的で用いられます。

 

MRI検査の短所

MRI検査は、CT検査よりも時間がかかります。またCT検査と比べて、直ちに実施できないことが多くなります。そのため、重篤な外傷や脳卒中などの緊急時にはCT検査の方が望ましい場合があります。

狭く閉ざされた空間にまつわる問題

MRI装置の内部は狭く閉ざされているため、普段は閉鎖空間で不安にならない患者ですら恐怖を感じることがあります。肥満の人では、撮影装置の中に体を収めるのが難しいことがあります。

そのため、左右片方が開いていて、内部が広くなっているMRI装置もあります(オープン型MRIと呼ばれます)。これであれば、閉所に対する恐怖を感じにくく、肥満の人も比較的楽に検査を受けられます。このオープン型MRIで撮影した画像は磁場の強さによっては閉鎖型装置の画像より劣る場合がありますが、それでも診断に利用できます。当院のMRIはオープン型なので、この問題をクリアーできると思います。

磁場の影響

通常、以下に該当する患者にはMRI検査は用いられません。

  • 体の特定の部位(特に眼)に特定の種類の物体が存在する
  • 強力な磁場の影響を受ける機器を体内に埋め込んでいる

そのような機器としては、一部の心臓ペースメーカー、除細動器、人工内耳、かなり昔の動脈瘤の治療に用いる磁性体の金属クリップなどがあり、MRI検査で用いる磁場によって、これらの機器が移動したり、過熱したり、故障したりする可能性があります。特に影響を受けやすいのは、機器を埋め込んでから検査までの期間が6週間未満の場合です(機器の固定を助ける瘢痕組織がまだ形成されていないため)。また、これらの機器があるとMRI検査の画像にゆがみが生じます。

通常の歯科インプラント、人工股関節、脊椎矯正用の支柱などは埋め込んであってもMRIの影響を受けません。

埋め込み型の機器がある場合は何であれ、MRI検査を受ける前に主治医に伝えて、検査が安全かどうか判断してもらう必要があります。

MRIの磁場は非常に強く、常に発生しているため、酸素ボンベや点滴棒などの金属製の物体が検査室の入口近くにあると猛スピードで装置に引き寄せられる場合があります。これにより患者が負傷したり、飛んできた物体を磁石からなかなか離せなくなったりすることもあります。

MRI用造影剤に対する反応

ガドリニウム造影剤は、頭痛、吐き気、注射部位の痛みや冷感、味覚異常、めまいを引き起こすことがあります。

MRI検査用の造影剤は、従来の血管造影検査やCT血管造影検査で用いられるヨード造影剤と比べて、重度の反応を招くリスクが低くなっています。

ただし、進行した慢性腎臓病のある少数の患者において生命を脅かす重症疾患である腎性全身性線維症の発生が報告されています。しかし、それらの症例の大半にはI群ガドリニウム造影剤と呼ばれる種類の造影剤との関連が指摘されていて、I群ガドリニウム造影剤は米国ではもはや使用されていません。当院で使用している造影剤はⅡ群ガドリニウム造影剤のガドビストで、腎機能障害が起きにくいと報告されています。