【院長ブログ10】糖尿病のこと
糖尿病について諸々
糖尿病とは
脳の病域、特に脳卒中になる危険が高くなる原因には、今まで取り上げてきた高血圧、脂質異常症がありますが、一番注意しなければならないのは糖尿病です。では、糖尿病とはどんな病なのでしょうか。
糖尿病は、ずばり血糖値が高くなりすぎる病気です。これには、血液の中の糖分をコントロールするインスリンというホルモンが大切な役割を果たしています。
- 糖尿病には、1型と2型の2つの種類があります。
- どちらの種類の糖尿病も、心臓発作や脳卒中などの重大な病気を引き起こします。
- 糖尿病を治せる治療法はありませんが、インスリンやその他の薬を使用したり、食習慣を変えることで管理できます。
血糖とは体のおもなエネルギー源です。血糖は、飲み物に入っている糖分や食べものに加える糖分からつくられるだけではありません。血糖は、次のようなあらゆる種類の食べものからつくられます。パンやくだもの、米や麺類、芋など炭水化物を含んでいる食べものがたくさんあります。体が炭水化物を血糖に変えます。
糖分の取りすぎに注意と言われた方の中でも、意外とくだものやパンだったら大丈夫だろうと思われているようですが、糖分は豊富に含まれているので、要注意です。
インスリンについて
インスリンは膵臓で作られるホルモンです。血糖値をコントロールするとても大切な物質です。食事をすると、体は食べものを吸収し、血糖値が上がります。膵臓は血糖値が高くなったことを感じとり、インスリンを出し始めます。インスリンは体の細胞に血液から糖を取り込むよう伝えます。血糖値が正しい水準になると、膵臓はインスリンを出すのを止めます。
糖尿病の原因とは
糖尿病にはインスリンの問題が関係しています。糖尿病には、インスリンの出方によって2種類があります。
- 1型糖尿病では、インスリンをつくる細胞が壊れていて、膵臓でインスリンをつくることができません。
- 2型糖尿病では、膵臓ではインスリンがたくさんつくられますが、体の細胞がインスリンにうまく反応しなくなって発症します。
甘い食べものを食べてもすぐに糖尿病になるわけではありません。ただ、食べすぎて体重がとても重くなると2型糖尿病を発症しやすくなります。
1型糖尿病はふつう30才までに発症しますが、よくみられるのは子どもや青年です。2型糖尿病はどの年齢でも発症しますが、次のような人により多くみられます。
- 過体重か肥満の人
- 30才以上の人
- 2型糖尿病の家族がいる人
妊娠中に2型糖尿病になる女性もいます。これを妊娠糖尿病といいます。
糖尿病の症状は
2型糖尿病の症状はゆっくりと始まることがあります。何年も症状は現れないかもしれません。その場合、次のことに気づくことがあります。
- 尿の回数と量が多くなる
- 水を飲む量が増える
これらの症状は数週間から数カ月かけて悪化します。次のようなことも起こるかもしれません:
- 体中がだるくて疲れる
- 目がかすむ
- 脱水(体内の水分が十分でない状態)になる
糖尿病の合併症について
血糖値が長い間高いままだと、多くの問題を引き起こすことがあります。ほとんどの問題は、糖尿病が原因で血管がつまるために起こります。血管が詰まると、血液が十分に臓器まで届きません。そうすると、次のようなことが起きる場合があります。
- 心臓発作
- 脳卒中
- 腎不全
- 失明
- 足の潰瘍
糖尿病の診断は
医師はあなたの血液を検査して次のことを調べます。
- 血糖値
ふつう、医師はあなたが何かを食べる前の朝一番に血糖値を測ります。これを空腹時血糖といいます。医師が空腹時血糖を測る必要があるのは、1日の残りの時間では食事量によって血糖値が上下するためです。
空腹時血糖値:
- 100未満ならば正常です
- 100~125の場合、糖尿病のリスクがあります
- 126以上だと糖尿病です
医師はこのほかに次の検査をすることがあります。
- ヘモグロビンA1C
ヘモグロビンは、赤血球の中にある物質です。血液の中に酸素を運びます。血液の中の糖がヘモグロビンにくっついて、ヘモグロビンA1Cになります。
- 血糖値が高いほど、ヘモグロビンA1Cは多くなります。
ヘモグロビンA1Cは長く残るため、その量は血液中でゆっくり変化します。このため、ヘモグロビンA1Cの値から、医師は過去2~3カ月の血糖値が分かります。ヘモグロビンA1Cの値が6.5%以上であれば糖尿病です【日本の糖尿病の診断では血糖値の基準も満たす必要があります】。
糖尿病の治療は
糖尿病の治療法はありません。治療の目標は、血糖値を正常に近い水準に保つことです。
- 自分自身の血糖値を上手に調節するほど、合併症が起こる可能性が低くなります。
糖尿病の治療には次のようなものがあります。
- 適切な食事をする
- 運動する
- 太っている場合は体重を減らす
- 薬を飲む
- 定期的に血糖値をチェックする
あなたが糖尿病ならば、この病気についてできるだけたくさん学んでください。糖尿病指導にたずさわっている看護師や管理栄養士に相談してください。栄養士は、何を食たべればよいか、体をどれくらい動かしたらよいか、血糖値をどのようにチェックするか、インスリンをどのように調整するか(必要な場合)などを理解できるように助けてくれます。
何を食べればよいか?
糖尿病では、体は血糖値の変化に反応できないため、次のことが大切です。
- 食事やおやつを、毎日大体同じ時間に食べる
- 毎日大体同じ量を食べる
- 毎回の食事で炭水化物(パンなど)と脂肪分の多い食べものの量を制限する
- 野菜や、ゆっくりと消化される炭水化物(たとえば果物や全粒穀物、繊維質の多い食品に含まれるようなもの)をもっとたくさん食べる
- キャンディ、クッキー、ドーナッツ、ペストリーなどの加工食品を制限する
- 炭酸飲料、甘いアイスティー、レモネード、フルーツポンチ、スポーツドリンクなどの砂糖が入った飲みものは飲まないようにする
- お酒は、女性の場合は1日に1ドリンク、男性の場合は1日に2ドリンクに制限する【「1ドリンク」とは、アルコール量で10g、アルコール度数5%のビールで250mL程度の量とされています】
どれくらい体を動かせばよいですか?
毎日、何か運動をするようにしましょう。
- 運動をすることで、健康な体重になったり、健康な体重を保ったり、血糖値を調節したりする助けになります。
- どれくらい運動すればよいのか、どのような運動が一番よいのかは、医師や看護師に相談してください。
- 運動すると血糖値が下がるため、長時間運動をする前には、おやつを食べたり、インスリン注射の量を減らす必要があります。
体重を減らした方がよいですか?
2型糖尿病の場合、太りすぎならば体重を減らそうとすることがとても大切です。
- 体重を減らすことが血糖値の調節に役立ちます
体重が十分に減れば、薬を飲む必要がなくなることもときどきあります。
